ウェブサイト運用において、HTMLとSEOは密接に関連しています。
HTMLはウェブページを作成する際の基本的な言語であり、適切な使い方をしなければウェブページの質が落ち、結果的には検索エンジンからの評価も低下します。
例えば、タイトルタグやメタディスクリプションを適切に設定しないと、検索結果に表示される情報が不足したものとなり、ユーザーにとっての魅力を損なうことにつながります。
一方で、SEO（Search Engine Optimization）は検索エンジンがウェブサイトを評価、ランク付けするための重要な手法です。
HTMLの構造を理解し、適切にタグを設定することで、検索エンジンに対してウェブサイトの内容を正確に伝えることができます。
この結果、検索エンジンからの評価が高まり、検索結果の順位にも反映されます。
本記事では、これらを最大限活用するためのポイントを解説します。
SEOに有効なHTMLタグとその用途
有効なSEO対策を行なうに当たって、HTMLタグと用途をしっかり理解することも大切なポイントです。
以下では、HTMLタグの用途、具体的な例などを含め紹介しています。
(1) titleタグ：ページの主題を示す
HTMLの中でも最も重要性が高い部分です。
このタグはウェブページのタイトルを示し、検索エンジン結果ページ（SERP）に表示されます。
また、ブラウザのタブにも表示されるため、ユーザーがどのページを開いているのか一目でわかるようになります。
具体的な書き方は、となります。
ただし、このタイトルは60文字以内に収めると、SERPに全文が表示されやすくなります。
さらに、titleタグでは重要なキーワードを早い段階で含めることが推奨されています。
これは検索エンジンが先頭の方を重視する傾向があるためです。
しかし、あくまでユーザーが理解しやすく、自然な文言を心掛けてください。
以下にtitleタグの設定例を示します。
<title>SEO対策の基本！HTMLタグの有効的な使い方 | あなたのサイト名</title>
このように、titleタグはSEO対策における重要な要素です。
適切な使い方を心がけましょう。
(2) metaタグ：ウェブページの詳細情報を提供する
ウェブページの詳細な情報を検索エンジンやユーザーに提供するためのものです。
このタグには主に「description」と「keywords」の2つの属性が存在します。
「description」属性は、ウェブページの内容を簡潔に説明します。
検索結果のスニペット（概要）に表示され、ユーザーがページの内容を理解しやすくする役割があります。
一方、「keywords」属性は、ウェブページのキーワードを設定します。
しかし、Googleなどの主要な検索エンジンは「keywords」属性を無視する傾向があります。
そのため、「keywords」属性はSEO対策の観点からはあまり重要ではないとされています。
以下はmetaタグの一例です。
<meta name="description" content="ここにウェブページの説明を記入"> <meta name="keywords" content="キーワード1, キーワード2, キーワード3">
このように適切なmetaタグを設定することで、ウェブページは検索エンジンにより適切に評価・表示され、SEO対策における重要な一環となります。
(3) hタグ：コンテンツの見出しを設定する
WEBページの構造を明確に示すのに重要な役割を果たします。
SEO対策においては、検索エンジンがコンテンツの重要性を判断する上で、hタグ（見出しタグ）の使用が重要となります。
hタグにはh1からh6までのレベルがあり、数字が大きくなるにつれて重要度が低くなります。
例えば、ページの主題を示すためにはh1タグを、セクションの見出しにはh2やh3タグを使用します。
【コーディング例】
<h1>ページタイトル</h1> <h2>セクションタイトル</h2> <h3>サブセクションタイトル</h3>
また、hタグ内にはキーワードを含めることが推奨されます。
これにより、検索エンジンはそのページが何についてのものかを理解し、適切な検索結果として表示することが可能となります。
ただし、キーワードを過剰に使用するとスパムとみなされる恐れがあるため、自然な文脈の中で適切な頻度で使用することが必要です。
(4) aタグ：リンクを設定する
HTMLの要素の一つで、ウェブページ内外へのリンクを設定します。
ここでは、SEO対策におけるaタグの使い方と設定ポイントを具体的に解説します。
まず、aタグの基本的な書き方は以下の通りです。
<a href="リンク先URL">リンクテキスト</a>
この書き方により、「リンクテキスト」部分がクリック可能なリンクとなり、クリックすると「リンク先URL」にジャンプします。
SEO対策におけるaタグの設定ポイントとして、rel=”nofollow”属性を活用することが挙げられます。
この属性を設定すると、検索エンジンに対して「このリンクを追跡しないで」と指示することができます。
具体的な書き方は次のようになります。
<a href="リンク先URL" rel="nofollow">リンクテキスト</a>
この形式は、自サイトから評価を受けたくない外部サイトへのリンクに使用します。
これにより、評価を流すことなくページランクを保つことが可能です。
(5) altタグ：画像の代替テキストを設定する
altタグは、ウェブページ上の画像に対して代替テキストを設定する際に使用します。
画像が表示されない状況でもその内容を理解できるように、また、検索エンジンが画像の内容を判断するための重要な要素です。
具体的には、以下のように記述します。
<img src="image.jpg" alt="代替テキスト">
上記例では、「image.jpg」が画像ファイルで、「代替テキスト」の部分には、該当する画像の内容を簡潔に記載します。
例えば、ページ内で商品を紹介している場合、その商品の名前や特徴を記載すると良いでしょう。
SEO対策としては、altタグにキーワードを含めることが推奨されます。ただし、無理にキーワードを詰め込むとスパムとみなされる可能性があるため、自然な文脈で使うように心掛けましょう。
加えて、画像の内容と全く関連のないキーワードを使用することは避けるべきです。
これらに注意しつつ、視覚的要素を有効活用しましょう。
(6) listタグ：箇条書きや番号付きリストを作成する
listタグは、ウェブページ上で箇条書きや番号付きのリストを作成するために使用されます。
SEO対策の観点から見ると、listタグは情報を整理し、ユーザーが読みやすくする効果があります。
また、検索エンジンはlistタグを読み取って、ページの内容を理解する一助となります。
具体的な使い方は次の通りです。
箇条書きリストを作成するには「ul」タグを、番号付きリストを作成するには「ol」タグを使用します。
それぞれのリスト内の項目を示すには「li」タグを使用します。
箇条書き例：
<ul> <li>項目1</li> <li>項目2</li> <li>項目3</li> </ul>
番号付きリスト例：
<ol> <li>項目1</li> <li>項目2</li> <li>項目3</li> </ol>
これらのリストは、情報の分類や整理、段階的な説明などに有効で、ユーザー体験とSEO対策に役立ちます。
(7) tableタグ：表を作成する
HTMLにおける「tableタグ」は、ページ内に表を作成する際に使用します。
SEO対策においても、情報を整理しやすくするという観点から重要な役割を果たします。
基本的な書き方は以下の通りです。
<table> <tr> <th>見出し</th> <th>見出し</th> </tr> <tr> <td>データ</td> <td>データ</td> </tr> </table>
“table”タグで表全体を囲み、”tr”タグで行を示します。
また、”th”タグで表の見出しを、”td”タグでデータ部分を表現します。
SEO対策としては、”th”タグで要点を明確に示すことで、ユーザーにとって有用な情報と捉えられやすくなります。
また、適切に表を利用することで全体の構造が理解しやすくなり、検索エンジンにとっても好ましい形式となります。
(8) canonicalタグ：重複コンテンツの問題を解消する
SEO対策を行う上で、重要なタグの一つがcanonicalタグです。
このタグは、同じ内容が別のURLで存在する、いわゆる「重複コンテンツ」の問題を解消する役割を担っています。
SEO対策においては、サイト内で同じ内容のページが複数存在すると、検索エンジンによる評価が分散されてしまい、結果的に検索順位が下がってしまう可能性があります。
そのような状況を避けるために、canonicalタグを利用して「本来のURL」を検索エンジンに伝えることが重要になります。
具体的な設定方法は、タグ内に記述します。
例えば、ある商品の詳細ページがカテゴリーごとに別々のURLで存在する場合、以下のように設定します。
<head> <link rel="canonical" href="https://example.com/product/123" /> </head>
こうすることで、どのURLからアクセスしても、検索エンジンは「https://example.com/product/123」が本来のURLであると認識します。これにより、SEO対策上の重複コンテンツ問題が解消されます。
(9) blockquoteタグ：外部サイトの情報を引用する
blockquoteタグは、ウェブページ上で外部の情報を正確に引用するためのHTMLの一部です。
このタグを使用することで、外部リソースからの情報を明示的に示すことができます。
以下に具体的な書き方を示します。
<blockquote cite="引用元URL"> 引用したいテキスト </blockquote>
ここで、「引用元URL」の部分には引用情報の元となるURLを記述します。
また、「引用したいテキスト」の部分には、引用したい具体的な内容を記述します。
このような記述を行うことにより、検索エンジンはこの情報が他のウェブサイトから引用されたものであることを認識します。
これにより、オリジナルコンテンツと引用コンテンツを適切に区別し、その上でSEO対策を行うことが可能となります。
(10) strongタグ：特定のテキストを強調する
strongタグは、文中のキーワードや重要なフレーズを強調するために使用します。
このタグを使用すると、テキストは一般的に太字で表示されます。
これにより、訪問者の目を引くことができ、また検索エンジンがそのテキストの重要性を理解する手がかりにもなります。
具体的な書き方は次の通りです。
<p>この文は<strong>重要なキーワード</strong>を強調しています。</p>
この場合、「重要なキーワード」が太字で表示されます。
注意すべき点としては、strongタグは本当に強調したい部分だけに使用しましょう。
全文を太字にすると、逆に強調したい部分がわかりづらくなる可能性があります。
strongタグを適切に使用することは、ウェブページのSEO対策において重要なポイントとなります。
SEO対策のためのHTMLコーディング実例
HTMLのコーディングの際には、SEO対策を意識した設定が必要です。
以下に、具体的な実例を示します。
まず、titleタグには、そのページの内容が一目でわかるような情報を設定します。
たとえば、「」のように記述します。
次に、metaタグのdescription属性には、ページ内容の詳細な説明を加えます。
「」といった形です。
また、hタグを上手く利用し、コンテンツの構成を明確に示します。
見出しには「SEO対策の基本」、「2022年の最新トレンド」といった具体的なキーワードを盛り込みます。
さらに、aタグには、適切な内部リンクを設定。
例えば「SEOガイドはこちら」とします。
これらのHTMLタグの効果的な使い方を実践することで、SEO対策を強化することが可能です。
まとめ：SEO対策におけるHTMLの効果的な使い方
SEO対策におけるHTMLの効果的な使い方は、主にタグの適切な利用を中心に考えられます。
具体的には、まずページの主題を明示的に示すtitleタグの設定が重要です。
また、metaタグやhタグを使って情報を詳細化し、検索エンジンに情報を適切に伝えることも大切です。
さらに、aタグでのリンク設定、altタグを使った画像の代替テキスト設定、listタグやtableタグを活用した情報の見やすい整理も効果的です。
これらのタグは検索エンジンにとって有益な情報を提供し、ユーザビリティの向上にも寄与します。
また、重複コンテンツの問題を解消するcanonicalタグの使用や、情報の信憑性を保証するblockquoteタグの活用なども欠かせません。
SEO対策とHTMLの適切な組み合わせにより、ユーザーに役立つ情報を提供しつつ、検索エンジンによる評価を高めることが可能です。
