検索エンジンのWebページ収集システムです。
Webサイトを次々と探索し収集していく仕組みを持っています。
サイトがクロールされないと検索エンジンにインデックスされず、検索上位に表示されにくくなります。
そのため、適切にクロールされるようにすることが重要なのです。
本稿では、「クローラーとは」をはじめ、被リンク獲得のコツについてご紹介いたします。
クローラーとは
クローラーとは、検索エンジンのWebページ収集システムのことです。
検索エンジンが世界中のWebサイトを効率的に収集するために使われています。
具体的には、次のような仕組みで動作します。
-
クローラーがWebサイトのURLを読み込む
-
そのURLに対応するWebページの内容を取得する
-
そのページ内のリンクを辿り、新たなURLを発見する
-
発見した新しいURLに対して2.の処理を繰り返す
このようにしてWebページを次々と探索・収集していきます。
クロールの仕組みを理解し、適切にサイトをクロール可能な状態に保つことが重要です。
サイトがクロールされないと検索エンジンにインデックスされず、検索結果に表示されにくくなってしまうためです。
クローラーの対象ファイル
Googleクローラーは、主にウェブサイト上の以下のファイルを解析の対象としています。
(1)HTMLページ
HTMLファイルはウェブサイトの基本構成要素です。
HTMLページ内のテキスト、リンク、構造化データなどがクローラーの解析対象となります。
(2)PDF、Word、Excelなどのファイル
HTMLページ以外にも、PDFやWord、Excelなどのファイルもクローラーの解析対象です。
ただし、HTMLページほど解析は容易ではありません。
(3)画像、動画ファイル
画像や動画ファイルもクローラーの解析対象となりますが、ファイル自体の内容は解析できません。
代わりに、ファイル名やALT属性、キャプションなどの付随情報を解析します。
このように、クローラーは様々な種類のファイルを解析しますが、主にHTMLページを中心に解析を行っています。
HTMLページでクローラーに最適化を行うことが重要となります。
クローラー対策の重要性
クローラー対策には、一体どのような対策が重要となってくるのでしょうか。
以下では、2つのポイントに絞って説明しています。
(1)検索エンジンにサイトを適切に理解させる
Googleをはじめとする検索エンジンは、ウェブサイトの内容を適切に理解し、ユーザーにマッチした検索結果を提供することが重要です。
そのためにはクローラーが正しくサイトを把握できるよう、様々な対策が必要となります。
例えば、XMLサイトマップを作成することで、サイトのページ構造や更新状況をクローラーに通知できます。
また、リンクの設定や階層構造を適切に整備することで、ページ間の関係性を明確にできます。
対策項目 |
内容 |
---|---|
XMLサイトマップ |
サイト構造や更新情報をクローラーに通知 |
リンクの設定 |
ページ間の関係性を明確化 |
URL・階層構造 |
わかりやすいナビゲーション構造 |
このように、クローラーに対する適切な対策を行うことで、サイトの構造や内容を検索エンジンに正しく伝えられます。
その結果、ユーザーの検索ニーズにマッチした表示が可能となり、上位表示の機会が高まります。
(2)上位表示に影響する
クローラーがサイトを適切にクロールできるかどうかは、検索エンジンにおける上位表示に大きな影響を与えます。
検索エンジンはクローラーによって収集された情報に基づいて、サイトのランキングを決定しています。
つまり、クローラーがサイトの重要なページを見逃したり、適切にクロールできなかった場合、そのページは検索結果で上位に表示されづらくなってしまいます。
一方、クローラーがサイトを適切にクロールできれば、サイトの価値が適切に評価され、上位表示の可能性が高まります。
例えば、次の表のようにクローラビリティが良いサイトは検索順位が上がりやすいです。
クローラビリティ |
検索順位 |
---|---|
良い |
上位 |
悪い |
下位 |
このように、クローラー対策は検索エンジンにサイトを適切に理解してもらうために欠かせない施策なのです。
クローラーに対する効果的な対策
クローラーにサイトを適切にクロールさせるための対策が重要です。
以下の施策を行うことで効率的にクロールされ、検索エンジンからの評価が上がります。
(1)XMLサイトマップの作成
XMLサイトマップを作成し、サイトの構造とページの場所を検索エンジンに通知します。
これにより新規・更新ページがクロールされやすくなります。
(2)適切なURLとナビゲーション構造
URLはわかりやすく、ナビゲーション構造は階層化されたフラットな設計が適しています。
【例】 https://example.com/カテゴリ/サブカテゴリ/記事タイトル
(3)リダイレクトの適切な設定
ページの移動や削除の際は、301リダイレクトを適切に設定します。
これにより権威が引き継がれ、ユーザーエクスペリエンスも損なわれません。
(4)ページの軽量化
ページの軽量化により、クロール効率が上がります。
画像の圧縮や無駄な要素の削除などで対応しましょう。
以上の対策を行うことで、クローラーの巡回を促進できます。
クロールを促進する施策
ウェブサイトをGoogleなどの検索エンジンに適切にクロールしてもらうためには、以下の施策が効果的です。
(1)被リンク数を増やす
他のウェブサイトからリンクを受けることで、自サイトの存在をクローラーに知らせることができます。被リンクが増えるほど、クロールの頻度も高まります。
(2)質の高いコンテンツを作成
検索ユーザーにとって価値の高いコンテンツを作ることで、他サイトからの被リンクが期待できます。結果としてクローラーの訪問も促進されます。
(3)内部リンクの最適化
サイト内で関連ページへのリンクを適切に設置することで、クローラーの効率的なクロールを促します。
(4)robots.txtの適切な設定
robots.txtファイルで、クロールを許可するディレクトリやファイルを明示することが重要です。
これらの施策を総合的に講じることで、Googleクローラーによるスムーズなクロールを期待できます。
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クロール状況の確認方法
Googleクローラーがどの程度サイトをクロールしているかを確認することは重要です。
確認方法には以下のようなものがあります。
(1)Googleサーチコンソールを活用
Googleサーチコンソールには、クロール状況を確認できる様々な機能があります。
以下の2つが代表的です。
・クロール解析レポート サイトのクロール状況や課題が一目でわかります。
・クロールエラーレポート クロールエラーの種類や数がわかり、問題点を特定できます。
(2)site:検索を実施
Googleで「site:サイトのURL」と検索すると、そのサイトでインデックスされているページ数がわかります。
ただし、すべてのページがインデックスされているわけではないことに留意が必要です。
このように、サーチコンソールのレポートと、site:検索の結果を確認することで、クロール状況や課題点を把握することができます。
これらを活用し、適切にクローラーがサイトをクロールできる環境を整えることが大切です。
クローラーの拒否方法
Webサイトの一部または全体をクローラーから隠したい場合は、主に次の2つの方法があります。
(1)robots.txtの設定
robots.txtはWebサイトのルートディレクトリに置かれ、クローラーにクロールの許可・拒否を指示するファイルです。
以下のように記述することで、特定のページやディレクトリへのクロール拒否が可能です。
User-agent: *
Disallow: /example/
(2)メタタグの設定
HTMLファイルのメタタグにrobots属性を設定することで、個別ページのクロール制御ができます。
noindexはページの検索エンジン登録を拒否する指示、nofollowはリンクの追跡を拒否する指示になります。
このように適切にクロール拒否設定を行うことで、クローラーの動作を制御し、プライバシー保護やセキュリティ強化などの目的を達成できます。
ただし設定を間違えると、検索エンジンからサイトが除外されてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
まとめ
ウェブサイトのSEO対策において、Googleクローラーへの適切な対応は非常に重要です。
クローラーはウェブサイトを効率的にクロールするため、いくつかのルールに従っています。
XMLサイトマップの作成や適切なURLとナビゲーション構造、リダイレクトの設定、ページの軽量化などの対策を行うことで、クローラーの動作を円滑にすることができます。
一方で、クロールを促進するための施策も重要です。
質の高いコンテンツを作成し、被リンク数を増やすことで評価が高まります。
また、内部リンクの最適化やrobots.txtの適切な設定も有効な手段となります。
クロール状況は、Googleサーチコンソールを活用したり、site:検索を実施することで確認できます。
逆に、クローラーへのアクセスを拒否したい場合は、robots.txtやメタタグの設定を行います。
このように、クローラーとの上手な付き合い方を理解し、適切に対応することが大切です。